第6回 放射性物質とその検査

放射線と放射能はどう違うの? 放射性物質は? 食べ物の検査基準はどうなっているの??



自然放射線について

 放射線と聞くと怖いイメージがありますが、放射線はもともと自然界に存在するもので、ずっと昔から私たちは、宇宙・大地・大気・水や食べ物…などの『自然界からの放射線』を毎日受けています。


自然放射線

 場所によって量は異なりますが、この被曝は、日本では年間約1.5mSv(ミリシーベルト)といわれています。(世界平均2.4mSv)

 1日あたりに換算すると、私たちは毎日およそ4.1μSv(マイクロシーベルト)放射線を浴びています。


 また、放射線をうまく使って、レントゲンやCT検査、空港の持ち物検査などを行うことができ、実は身近な存在です。


 ただし、過ぎたるは猶及ばざるが如し。では、どの程度放射線を浴びると「危険」になるのでしょうか?

 ※1mSv(ミリシーベルト)の1000分の1=1μSv(マイクロシーベルト)


用語解説

 その前に、まずは言葉の説明をします。


放射能



 放射線を出す[能力]


放射性物質



 放射線を出す能力を持っている[物質]


放射線

放射線



 不安定な原子が崩壊した時に放射状に放出される粒子またはエネルギーのこと。(不安定な原子:放射性同位元素)


 放射線にはα線・β線・γ線・中性子線などがあり、これらはそれぞれ違った性質を持っています。

 たとえば、α線は紙一枚で遮蔽できるのに対し、中性子線は水でないと遮蔽できません。


放射線の性質

半減期



 放射性物質は、放射線を出すことによって、次第に安定した物質へ変化していきます。

 およそ半分程度が安定するまでの期間のことを半減期と言います。

 放射線の量も、しだいに減っていきます。


 半減期は、物質の種類によって違います。(例:ヨウ素=約8日,セシウム137=およそ30年)

半減期

放射線の単位

ベクレル

Bq(ベクレル)



放射性物質(線源)がどのくらいの放射線を放出するかを示した単位

どのくらい危ないかを評価するときに用いる。(正確には1秒間に崩壊する原子核の数で定義される)


グレイ

Gy(グレイ)



何かの物質が一定面積で受ける放射線の量を示した単位


シーベルト

Sv(シーベルト)



人間が放射線を浴びて、どの程度影響を受けるのか(受けたのか)を評価するときに用いる単位


Bq から Sv への換算

例)500Bq/kgの汚染のある牛肉を200g食べた場合。
Sv=Bq×摂取量×実効線量係数
=500(Bq/kg)×0.2kg×1.3×10-8
=1.3×10-6mSv(ミリシーベルト)
=0.0013μSv(マイクロシーベルト)

⇒日本人が1日に浴びている放射線の約1000分の1
⇒白血球減少のしきい値の約3.8億分の1