第5回 ノロウイルスの検査

ウイルスと細菌は、症状は似ていても、実は全く違うもの。だから、検査方法も全然違うのです。ノロウイルスの検査方法は遺伝子が深く関係します。



ノロウイルスとは

 寒い季節になると、毎年ノロウイルスが流行します。まずは、ノロウイルスについて簡単に見てみましょう。


ノロウイルス ノロウイルスはいが栗のような球形をしたウイルスで、ヒトの腸管中でのみ増えます。少量のウイルスでも発症します。
感染経路 人から人への感染が中心です。
 ・嘔吐物や人間の糞便(トイレなど)で感染
 ・食品取扱者を介して汚染された食品
 ・充分に加熱されていない食品

その他の原因としては貝類(二枚貝)がありますが、これはノロウイルスに汚染された生活排水が海へ流れ込み、 その海水を、貝が吸引・ろ過するうちに、体に貯め込んでしまうからです。ノロウイルスは人間の体でしか活動できないため貝には何の影響もありません。
発病までの時間 ・24~48時間
症状 ・嘔吐、激しい下痢、腹痛、頭痛など
予防・やっつけるためには ・手洗いを徹底することが第一です。
・食品の中心温度が85~90℃で90秒以上になるように加熱するとノロウイルスは死滅します。

塩素系の消毒液(次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸水など)が効果的です。嘔吐物、嘔吐物や便がついた布、ドアノブ、トイレ、お風呂などの消毒に使用します。(手指消毒には使用しない)

アルコールや逆性石鹸はあまり効果がありません。(※次亜塩素酸ナトリウムは台所用漂白剤に入っていることが多い成分です)

細菌とウイルスの違い

細菌

細菌



 単細胞生物


 細菌とは単細胞の生き物で、エサを食べて自分で増えます。


 細菌が関わっているものには、キムチ、ヨーグルト、チーズ、しょうゆ等の発酵食品や腐敗等があります。

 また、お風呂のぬめり等も細菌が原因です。


 餌を食べることで目に見える量まで増えるため、培地の上で育て観察することができます。


ウイルス

ウイルス



 DNA(RNA)と殻から成る微粒子


 一方ウイルスは、DNAと殻から成る微粒子で、電子顕微鏡を使わないと見えないほど小さいです。


 最大の特徴はその増え方です。

 エサを食べず、自分で増えることはできません。

 宿主の細胞に寄生して、自分のコピーを大量に作らせます。

 これらの特徴から、ウイルスは生き物ではないとも言われています。


 エサで増えないという事は、細菌検査のように培地で増やして観察することができません。

 そこで、ノロウイルスの検査には遺伝子の検査を用います。