第4回 腸内細菌検査総論

腸内細菌検査とは? なぜ、定期的な検査が必要なのでしょうか。



なぜ定期的に検便をするの?

なぜ?

 今日のテーマは腸内細菌検査です。つまり検便のお話です。

 食品に携わる人たちは、毎月定期的に腸内細菌検査(検便)をしています。


 では、なぜ検便を実施しなければならないのでしょう。

 決められているから?健康管理のため?他の企業さんがやっているから?…いいえ違います!


 それでは、そもそも何故、検便をしなければならないのでしょうか?


腸チフスのメアリーの話

 100年前にあった本当の話です。


 20世紀初頭、ニューヨーク周辺では「腸チフス」の小規模な流行が、ところどころで起きていました。

 メアリーが雇われていた家の住人もこの疫病に見舞われ、メアリーの手厚い看護にも関わらず病状は重くなる一方でした。

 1900年から1907年の間に、メアリーは何回か勤め先を変えましたが、その間判っているだけでメアリーの身近で22人のチフス患者が発生し、そのうち洗濯婦をしていた若い女性1人が死んでしまいました。


 これらの事柄に疑問を抱いた富豪の一人は、衛生士ジョージ・ソーパーに、チフスの原因を突き止めるように依頼しました。

 調査の結果、メアリーが雇われた家庭のほとんどで、彼女がやってきた直後に腸チフスが発生していることがわかりました。

 この結果からソーパーは、メアリーがチフス菌の保菌者ではないかと疑い、ニューヨーク市衛生局で細菌学的な検査が行われました。そして彼女の便からチフス菌が検出されました。


 彼女はそれまで腸チフスを発症したことがなく、健康保菌者だったのです。

 その当時の細菌学の考えでは、特にチフス菌のように毒性の高い細菌が、このような 不顕性感染(症状の出ない感染)を起こすということは知られていませんでした。


 本人は健康なため、保菌者であるという自覚のないまま、周囲の人に感染を広げてしまう…というケースは、腸チフスに限らず、サルモネラや他の細菌でも同様の例があるため、健康そうな人も保菌していないかどうか、腸内細菌検査(検便)をして確認するようになりました。 腸チフスのメアリー